India exploring.

とある事情で頻繁にインドを訪問するようになり、インドに関して勉強したこと(文化や歴史)や現地で感じたこと、インドに関するニュースなどを題材に記事を更新していく予定です!インドのことについて勉強されている方に役立ちそうな情報を発信しますので良かったら見て行ってください(^^♪!

<文化シリーズ 第1弾>何故インド人はベジタリアンが多いのか?根底に眠る非暴力の精神。アヒムサーとは。

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多様性の中に生まれた非暴力

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ご存知の方も多いとは思うが、インドには数えきれないほどの言語が存在している。

公用語はヒンディー語、準公用語が英語だが、公式に認められている言語だけでもこの二つの他に16存在している。

 

そしてその下にさらに枝分かれしており、その数1000は優に超えると言われている。

50kmから100km行けば理解できない言葉が離されているとも言われ、単一民族、単一言語を使う日本人からすると到底理解できない領域である。

 

話を本題に戻す。

言語が違えば文化も違うわけで、考え方も少しずつ異なる。

信仰する宗教も信じる神様も当然異なる場合も多い。

これらを一つの国の中でまとめ上げるには当然ながらこの多様性を如何に許容するかが最優先の課題になることは言うまでもない。

 

しかし、歴史を紐解いても大きな内戦や部族間の争いなどほとんど聞いたことが無い。

(イスラム教とヒンドゥー教の対立はしばしば見られはするが・・・)

 

インド人は昔からの概念として争いを解決に導くのは暴力ではなく、

相互理解と徹底的な議論であると認識している。

輪廻の発想を強く持っており、現世の行いは常に来世に引き継がれると認識しているインド人は当然、悪とされる暴力に及ぶことは少ない。

 

そしてこの非暴力のことをサンスクリット語では「アヒムサー」と言う。

 

紀元前からこの考え方は継承されている?

この非暴力の概念は実はバラモン教の聖典であるマヌ法典にも記載されているらしい。

マヌ法典といえば、アーリア人がまだ現在のパキスタン近辺にいた時代の法典でありインドに侵略して来る前の法典である。

つまり、現在のインド人の基本的な考え方である非暴力は元来インド固有のものではないとも言える。

 

上記で述べたように、紀元前から存在していたこの考え方は侵略してきたアーリア人或いはバラモン達がこのインドを支配するにはもってこいの考え方であったとも考えられる。

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http://web.joumon.jp.net/blog/2013/01/1472.html

 

上記のように、バラモンはカーストの最上位に位置するが、仕事は司祭などを務めていたため武器を持たない階級であったとも言える。実際の労働階級、力仕事は下位カーストの仕事であり彼らが反旗を翻すことがないように実施した保身策の一貫であった可能性もあるがその真相は定かではない。

 

非暴力は元々動植物が対象であった

上記のように書いてしまうと

 

「なるほど、非暴力の精神が広まり、それが牛や鶏、魚なども対象になったいったのか」

 

と憶測してしまうと思う。

紛らわしくて申し訳ないが、実は逆なのである。

 

元々この非暴力(アヒムサー)の対象は動植物であったのである。

それがヒンドゥー今日の中に溶け込んでいくにつれ、人にも適用されるようになっていったというのが正しい認識だそうだ。

 

ベジタリアンが多い理由はここにある。

 

当然牛や豚、鶏を食べることは暴力に値する。蚊が居ても叩いて追い払うことは無い。

ハエを叩くこともない。街中に糞を撒き散らす鳩には当然餌を与える。

 

全てが人間と対等の関係にあり、殺傷する対象には成り得ないのである。

こう考えていくと元々この考え方はインド国外からもたらされたものであり、古来のドラヴィダ系の人達が持っていたかどうかは定かではない。

 

南インド、特にケララ州やタミルナドゥ州には現在もドラヴィダ系の民族が住んでいるが、肌の色が異なりアーリア人の侵入によってカーストの最下位に位置づけられる場合が多かった。そんな中、脱カーストを目指しキリスト教に改宗する人も多く、特にケララ州ではキリスト教の割合が非常に多く、実際牛肉を食す文化もあるという。

 

実際にアーリア人が侵略してくるまでのドラヴィダ系の人たちは牛肉を始め肉食の文化を持っていたという文献も多い。

 

こういった事実もまさにこの非暴力(アヒムサー)の考えが、インド古来のものではなく、アーリア人がもたらした概念であるという歴史を裏付ける事実なのである。

 

今回は何やら少し堅苦しい話になってしまいましたが、

個人的に興味があったので書かせてもらいました。ご容赦ください。

 

それでは(^^♪

 

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<文化シリーズ第二弾>

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